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原木しいたけの焼き方|塩だけで、裏返さずに焼くコツと器具別の時間

原木しいたけは、傘を下(ひだを上)にして中火で焼き、裏返さないのが基本です。ひだ(傘の裏のひらひらした部分)に汁がぷつぷつと浮いてきたら焼き上がり。味つけは塩をひとつまみで十分です。

器具は魚焼きグリル・オーブントースター・フライパン・焼き網のどれでも焼けます。この記事では、器具ごとの時間の目安と、「なぜ裏返さないのか」「なぜ中火なのか」を、公的機関の資料や研究をもとにまとめます。

結論:基本の焼き方は4ステップ

  1. 汚れを拭く。洗わずに、軽く払うか、湿らせたキッチンペーパーで拭きます。きのこは洗うと水っぽくなり、風味が逃げるためです(JAグループ)
  2. 軸を外す。石づき(軸の先の固い部分)だけ切り落とし、軸は縦に裂くか輪切りにして、傘の横で一緒に焼きます
  3. 傘を下、ひだを上にして並べ、中火で焼く。途中で裏返しません
  4. ひだに汁が浮いてきたら火を止め、塩をふる。しょうゆ、ポン酢、バターでもおいしく食べられます

塩は焼く前にふるレシピもあれば、焼き上がりにふるレシピもあります。どちらでもかまいません。迷ったら焼き上がりにふると、塩加減を調整しやすくなります。

なぜ裏返さないのか

焼いていると、しいたけ自身から水分が出てきて、ひだの上にたまります。ひだを上にしたまま焼けば、この汁がこぼれずに残ります。ひっくり返すと、汁は網やフライパンに流れてしまいます。

レシピ媒体の多くが、「傘から出てくる汁を落とさないこと」を焼きしいたけのポイントにあげ、ひだに汁が出てきたことを焼き上がりの目印にしています。

なお、「この汁がうま味成分のグアニル酸だ」と書かれていることもあります。ただ、汁そのものの成分を調べた公的なデータは見つけられませんでした。確かに言えるのは、しいたけから出た水分なので、捨てずに一緒に味わうのがいちばんむだがない、ということです。

器具別の時間の目安

器具向き火加減・時間の目安ポイント
魚焼きグリルひだを上中火で5〜6分(強火なら4〜5分)軸は網から落ちないよう、アルミホイルにのせて隣で焼く
オーブントースターひだを上800Wで6〜8分アルミホイルを敷く。塩を先にふってもよい
フライパンひだを上中火・ふたをして6〜7分蒸し焼きになり、乾きにくい
焼き網(直火)ひだを上中火で、汁が出るまで香ばしく仕上がる。軸だけは転がして焼く

時間はレシピ媒体(トクバイ、macaroni)の目安です。

原木しいたけは、時間より「汁」を目印にしてください。 原木しいたけは肉厚なものが多く、大きさや厚みで火の通りが変わります(育ち方の違いは原木しいたけとはで紹介しています)。表の時間で汁が出ていなければ、そのまま1〜2分ずつ様子を見ます。反対に、汁が出たあとも焼き続けると、汁が飛んで身が縮みます。

火加減は「中火」がちょうどいい理由

しいたけのうま味成分の一つ、グアニル酸は、生のしいたけにはあまり含まれていません。加熱の途中で、しいたけの中にある酵素がつくり出します。

北海道立総合研究機構の林産試験場は、この仕組みを次のように紹介しています(林産試だより 2025年10月号)。

酵素よく働く温度働かなくなる温度
グアニル酸をつくる酵素60〜70℃80℃以上
グアニル酸を分解する酵素40〜60℃60℃以上

同じ資料では、40〜60℃の温度帯をできるだけ早く通り過ぎ、60〜70℃のあたりで調理すると、うま味をたっぷり引き出せると説明しています(林産試だより 2025年10月号)。また、長時間の低温加熱や、熱湯に入れるような急激な高温調理は避けたほうがよい、という説明もあります(林産試だより 2018年9月号)。

ただし、これは主に煮る・ゆでる調理を前提にした話です。焼き方ごとにうま味成分を測った研究は見つけられませんでした。 研究と調理の一般論から考えると、次の2つを避けると無難です。

  • 弱火でだらだら長く焼く(研究で分かっている、分解する酵素が働く温度帯に長くとどまる)
  • 強火で表面だけ一気に焦がす(調理の一般論として、中まで火が通る前に外側だけ焼けてしまう)

多くのレシピが中火を使っているのは、この点でも理にかなっていると考えられます。

大きなしいたけは「ステーキ」にする

傘が手のひらほどある大きなものは、フライパンでステーキにするのもおすすめです。この焼き方は、途中で1回だけ裏返します。

新潟県が紹介している「しいたけのステーキ」の手順は、次のとおりです。

  1. 軸を切り、固い部分を除く。傘に格子状の切れ目を入れ、軸は輪切りにする
  2. フライパンにオリーブオイルとニンニクを入れて火にかけ、香りを出す
  3. しいたけを傘を下にして置き、料理酒を入れてふたをし、蒸し焼きにする
  4. 3分ほど焼いたら裏返し、軸も入れてさらに3分焼く。昆布ポン酢を入れて、少し焼いたら完成

厚みがあるものほど、格子状の切れ目で火が通りやすくなり、味もからみやすくなります。

焼くなら、生のまま・届いたら早めに

  • 丸ごと焼くなら、生のうちに。原木しいたけを使った研究では、丸ごと冷凍してから焼いたものは、生に比べて全体的に評価がやや低めでした(統計上はっきりした差ではありません)。切ってから冷凍したものは、焼いても生と大きな差がありませんでした。別の食べ比べでは、香りは冷凍のほうが好まれています(菌蕈研究所、2019年)。冷凍のしかたはしいたけは冷凍できる?生との違いと、冷凍の手順・向く料理で紹介しています
  • 選ぶなら、傘が開ききっていないもの。傘が肉厚で開きすぎておらず、ひだが白くしっかり張っているものが良品とされています(JAグループ)。開ききる前の傘はふちが内側を向いたお椀のような形なので、焼いたときに汁をためやすい形でもあります
  • 鮮度が落ちると水っぽくなる。鮮度が落ちたきのこは、色がくすんで柔らかくなったり、水っぽくなったりします(林産試だより 2025年10月号)。焼いて食べる分は、届いたら早めに

中伊豆BASEは、研修先や周辺の原木しいたけ林家さんの販売をお手伝いしています。


出典:

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