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三大うま味成分とは?しいたけのグアニル酸と、昆布・かつお節との合わせ方

収穫したばかりの、傘の丸い原木しいたけが重なっている 写真:収穫した原木しいたけ

三大うま味成分は、昆布の「グルタミン酸」、かつお節の「イノシン酸」、干ししいたけの「グアニル酸」の3つです。しいたけが受け持つのはグアニル酸です。島根県の林業課も、しいたけのうま味はグアニル酸によるもので、かつお節・昆布とならぶ「日本料理の三大うま味成分」といわれる、と説明しています。

この3つは、組み合わせるとうま味を強く感じる性質があります。昆布と干ししいたけで取る「精進だし」は、この性質を使っただしです。この記事では、3つの成分の違い、しいたけのグアニル酸の特徴、合わせだしの作り方を、公的機関などの資料をもとにまとめます。

三大うま味成分とは:3つの違いを早見表で

うま味インフォメーションセンター(うま味についての情報を発信しているNPO法人)の説明をもとに、3つを並べます。

グルタミン酸イノシン酸グアニル酸
種類アミノ酸系核酸系核酸系
代表的な食べ物昆布かつお節干ししいたけ
ほかに多いもの肉・魚・野菜など幅広く。味噌・醤油・チーズなど、熟成や発酵で増える肉や魚などの動物性の食材干ししいたけなどの乾燥したきのこ
うま味として見つかった年1908年1913年1957年

※ 核酸系=生き物の細胞にある核酸(かくさん)を形づくる成分の仲間。イノシン酸とグアニル酸は、同じ「核酸系」のうま味成分です。

三大うま味成分の早見表。グルタミン酸は昆布、イノシン酸はかつお節、グアニル酸は干ししいたけに多い 図:中伊豆BASE作成(出典:うま味インフォメーションセンター「うま味の基本情報」)

大きく分けると、アミノ酸系(グルタミン酸)と核酸系(イノシン酸・グアニル酸)の2つのグループになります。このグループ分けが、あとで出てくる「合わせ方」のカギです。

しいたけのうま味は「グアニル酸」

干ししいたけに多い

うま味インフォメーションセンターのデータでは、可食部100gあたりの量は次のとおりです。

グルタミン酸グアニル酸
生しいたけ70mg(記載なし)
干ししいたけ1,060mg150mg

同センターは、干ししいたけについて「干すことでグアニル酸が生成し、また水分が減ることで成分の濃縮が起こり」と説明しています。干ししいたけは水分が抜けているぶん、同じ100gでも中身がつまっています。水で戻すと重さは約5.7倍になるので(厚生労働省が使う換算の数字)、生と干しの数字はそのまま比べられないことに注意してください。

さらに同センターは、干ししいたけにはグルタミン酸も多く、2つのうま味成分による相乗効果が起こるとしています。干ししいたけは、それだけでアミノ酸系と核酸系の両方を持っている食材です。

生しいたけは、加熱の途中でできる

生しいたけには、加熱する前のグアニル酸はほとんどありません。ある研究では、生しいたけ100gあたり0.2mgだったものが、水から火にかけて沸騰させると11.3mgに増えました(日本調理科学会誌、1996年)。

グアニル酸は、しいたけの中の成分を材料に、加熱の途中で酵素のはたらきでできます。そのため、水から火にかけて、ゆっくり温度を上げるのが基本です。温度と酵素のくわしいしくみは、冷凍しいたけが美味しくなるのはどんな料理?で説明しています。

組み合わせると強くなる「うま味の相乗効果」

うま味インフォメーションセンターによると、うま味成分はそれぞれ単独で使うよりも、グルタミン酸と核酸系(イノシン酸・グアニル酸)を組み合わせたほうが、うま味がずっと強く感じられることが科学的に確かめられています。これを「うま味の相乗効果」といいます。

グルタミン酸とイノシン酸では、1:1で合わせたときにうま味がいちばん強くなり、その強さは単独で味わうときのおよそ7〜8倍とされています(同センター)。この数字はグルタミン酸とイノシン酸の組み合わせについてのもので、グアニル酸の倍率ではありません。

うま味の相乗効果の図。アミノ酸系のグルタミン酸(昆布)と、核酸系のイノシン酸(かつお節)・グアニル酸(干ししいたけ)を組み合わせると、うま味を強く感じる 図:中伊豆BASE作成(出典:うま味インフォメーションセンター「うま味の基本情報」「かつお節」「きのこ類」、農林水産省「うちの郷土料理 けんちん汁 神奈川県」)

台所での組み合わせに置きかえると、こうなります。

組み合わせうま味成分だしの名前・使いどころ
昆布 × かつお節グルタミン酸 × イノシン酸一番だし。すまし汁・お吸いもの
昆布 × 干ししいたけグルタミン酸 × グアニル酸精進だし。肉や魚を使わないだし。煮物・けんちん汁・炊き込みご飯
干ししいたけ × 醤油・味噌グアニル酸 × グルタミン酸しいたけの含め煮、しいたけ入りの味噌汁

ポイントは、アミノ酸系を1つ、核酸系を1つ入れることです。かつお節や肉・魚の料理に干ししいたけを足すときも、昆布や醤油・味噌のようなグルタミン酸の多いものが一緒に入っていると、組み合わせがそろいます。

昆布と干ししいたけの合わせだし(精進だし)の作り方

農林水産省「うちの郷土料理」で紹介されている、神奈川県のけんちん汁に使う精進だしの作り方です。

材料(できあがり約900ml)

  • 乾燥昆布:10cm程度
  • 干ししいたけ:2〜3枚
  • 水:1,000ml

手順

  1. 昆布を2cmほどの角切りにする
  2. 鍋に水、昆布、干ししいたけを入れ、冷蔵庫で一晩おく
  3. 鍋を火にかけ、アクをすくう
  4. 弱火で30分〜1時間ほど煮出す
  5. すぐ使わないときは、鍋を氷水につけて手早く冷まし、冷やして保存する

冷たい水に一晩つける手順は、干ししいたけの戻し方の基本と同じです。干ししいたけは冷蔵庫の冷たい水でゆっくり戻すのがよいとされていて、時間の目安は干ししいたけの戻し方にまとめています。だしを取ったあとのしいたけは、刻んで煮物や炊き込みご飯の具に使えます。

生しいたけでも合わせられる

干ししいたけがないときは、生しいたけと昆布を水から一緒に火にかけても、グルタミン酸とグアニル酸の組み合わせになります。生しいたけのグアニル酸は加熱の途中でできるので、沸いた湯に入れるより、水から温めるほうが向いています。

三大うま味成分は、日本の研究者が見つけた

3つのうま味成分は、どれも日本の研究者が見つけたものです(うま味インフォメーションセンター)。

年研究者見つけたこと
1908年池田菊苗(いけだ きくなえ)博士昆布だしの味の成分がグルタミン酸の塩であることを見つけ、その味を「うま味」と名付けた
1913年小玉新太郎(こだま しんたろう)氏池田博士の弟子。かつお節のうま味成分がイノシン酸の塩であることを見つけた
1957年國中明(くになか あきら)博士ヤマサ醤油研究所で、グアニル酸の塩がうま味成分であることを見つけた。のちに、干ししいたけのうま味成分だと確かめられた

昆布とかつお節の一番だしも、昆布と干ししいたけの精進だしも、成分が分かるずっと前から料理に使われてきました。同センターも、相乗効果は科学で確かめられるはるか昔から使われてきた、と書いています。

干ししいたけは、主に原木栽培でつくられています(林野庁)。原木と菌床の育ち方の違いは原木しいたけとはで紹介しています。

中伊豆BASEでは、研修先や周辺の原木しいたけ林家さんの販売をお手伝いしています。


出典:

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