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しいたけの炒め方|水っぽくならない塩のタイミングと火の通し方

しいたけが水っぽく仕上がるのは、しいたけから出た水分がフライパンに残り、炒めるつもりが「煮る」状態になるからです。防ぐコツは3つ。洗わない・フライパンに重ねない・出た水分を飛ばしきってから味を決める。

塩を入れるタイミングには2通りあります。塩を最後にふって表面を焼きつけるやり方と、塩を先にふって水を出し、強火で飛ばすやり方です。どちらでも水っぽくなりにくい仕上がりになります。この記事では、2つの手順と、どちらを選ぶかの目安をまとめます。

にんにくで炒めて焼き色のついたしいたけ 写真:DocteurCosmos/CC BY 3.0/Wikimedia Commons(切り抜きして掲載)

結論:水っぽくならない炒め方の基本

  1. 洗わずに汚れを落とす。軽く払うか、湿らせたキッチンペーパーで拭きます。JAグループは、きのこは洗うと水っぽくなり、風味が逃げるので「洗わないのが原則」としています。洗うときの注意は生しいたけは洗う?洗わない?で紹介しています
  2. 厚さをそろえて切る。石づき(軸の先の固い部分)を落とし、傘は同じ厚さに。軸も裂くか輪切りにして一緒に炒められます
  3. フライパンに重ねずに広げる。底に1枚ずつ並ぶ量が目安です。多いときは2回に分けます
  4. ふたをしない。湯気がこもると、蒸し煮に近くなります(丸ごと焼くときは、ふたをして中まで火を通すやり方もあります。くわしくは原木しいたけの焼き方へ)
  5. 汁がたまったら、火を強めて飛ばす。そのあとで塩・しょうゆなどを入れて味を決めます

なぜ水っぽくなる?しいたけの約9割は水

文部科学省の食品成分表では、生しいたけ(原木栽培)の水分は可食部100gあたり88.3g。菌床栽培の生しいたけは89.6gです。栽培方法にかかわらず、しいたけはおよそ9割が水です。

同じ成分表には、油で炒めたしいたけの数字もあります。

生しいたけ(原木栽培)100gあたり生油いため
水分88.3g81.3g
脂質0.4g5.4g

炒めると水分の割合が下がり、脂質が増えます。しいたけの中の水が外へ出て、かわりに油が入るということです。

生しいたけを炒めたときの水分と脂質の変化 図:中伊豆BASE作成(出典:文部科学省「日本食品標準成分表(八訂)増補2023年」食品番号08042・08044)

出てきた水が、フライパンの熱ですぐ湯気になって飛べば、表面が焼けて香ばしくなります。ところが、しいたけを重ねて入れたり、ふたをしたりすると、水が湯気になりきらずに底にたまります。この汁の中でしいたけが煮えるのが、「水っぽい」の正体です。

塩のタイミングは2通り:最後にふるか、先にふって飛ばすか

塩には、食材の中の水を外へ引き出す働きがあります。浸透圧(濃さの違う液のあいだで水が移る力)によるもので、きゅうりを食塩の入った液に漬けると、時間とともに果肉の水分が減ることが研究で確かめられています(日本調理科学会誌、1998年)。しいたけで同じことを測った研究は見つけられませんでしたが、2つのやり方は、この働きを「避けるか、使うか」の違いと考えると分かりやすくなります。

A 焼きつけ型B 水を出して飛ばす型
塩を入れる時最後(しんなりしてから)最初(火にかける前)
フライパン油を入れて温めてから冷たいまま広げる
火加減弱めの中火で2〜3分中火で水を出し、強火で飛ばす
仕上がり表面を焼いた歯ごたえ水を飛ばして、味が詰まった仕上がり
向くときしいたけだけを手早く。肉や野菜と合わせる炒め物何種類かのきのこをまとめてソテーにするとき

A 焼きつけ型は、塩を後にして水分をなるべく出さずに焼くやり方です。管理栄養士監修のDELISH KITCHENのレシピでは、温めた油で半分に切ったしいたけを弱めの中火で2〜3分、しんなりするまで炒め、そのあとで塩(6個に小さじ1/4)とこしょうを加えています。

B 水を出して飛ばす型は、塩で先に水を引き出し、それを強火で飛ばしきるやり方です。NHK「きょうの料理」のきのこのソテー(脇雅世さん)では、7mm幅に切ったしいたけなどのきのこ(合計300g)を冷たいフライパンに広げ、バターをのせて塩(小さじ1/4〜1/3)をふってから中火にかけます。水分が出たら火を強め、混ぜながら水分を飛ばし、焼き色がつくまで炒めます。同じレシピは、油を先に熱して炒めると水っぽく仕上がりやすい、とも書いています。

水っぽくならない炒め方の2通りの手順と、共通のポイント 図:中伊豆BASE作成(出典:NHK「みんなのきょうの料理」、DELISH KITCHEN、JAグループ)

2つのレシピは「先に油を熱するか」で逆のことを言っているように見えます。でも、どちらも塩で水を出すなら、出しきって飛ばす。塩を後にするなら、そもそも水を出す前に焼き上げるという点で筋が通っています。いちばん水っぽくなるのは、その中間です。塩を最初に入れて、火を強めずに、出た水を残したまま味つけまで進めてしまうことです。

火が通った目安:音と汁を見る

時間はしいたけの大きさと厚さで変わるので、目と耳で判断します。

様子状態
白っぽく、かたいまだ火が通っていない
しんなりして、底に汁が出る火は通った。Bならここで火を強める
汁がなくなり、パチパチと焼ける音に変わる水分が飛んだ。焼き色をつける段階
縁に焼き色がつき、香りが立つ仕上がり。味を決める

原木しいたけは肉厚なものが多く、1枚ずつ厚みが違います(育ち方の違いは原木しいたけとはで紹介しています)。切る厚さをそろえておくと、一部だけ生っぽい、一部だけ焦げる、ということが減ります。

うま味成分が加熱でどう変わるかは、原木しいたけの焼き方の「火加減は中火がちょうどいい理由」にまとめています。

味つけと、ほかの具と炒めるときの順番

  • 塩・こしょう:Aなら最後、Bなら最初。どちらの場合も、仕上げに味見をして足します
  • しょうゆ・みりん・酒など水気のある調味料:しいたけの水分を飛ばしたあと、最後に入れて手早くからめます。先に入れると、フライパンの水分が増えます
  • バター:Bのレシピのように最初に使ってもよく、最後に少し足すと香りが立ちます
  • 肉や野菜と炒めるとき:しいたけを先に焼いていったん取り出し、ほかの具に火が通ってから戻すやり方もあります。しいたけの水分を先に飛ばしておけるので、全体が水っぽくなりにくくなります
  • 冷凍したしいたけ:解凍せず、凍ったままフライパンへ。くわしくはしいたけは冷凍できる?で紹介しています

汁がたまってしまったときの直し方

  1. ふたをしていたら外す
  2. 火を強めて、汁を飛ばす。混ぜすぎず、ときどき返す程度に
  3. フライパンがいっぱいなら、半分を別の皿に取る。量を減らすと、汁が飛びやすくなります
  4. 汁が飛んでから味を見直す。汁があるうちに足した塩・しょうゆは、汁が飛ぶと濃く感じることがあります

汁は、しいたけから出た水分です。捨てずに、飛ばしながらしいたけにからめて仕上げます。

中伊豆BASEは、研修先や周辺の原木しいたけ林家さんの販売をお手伝いしています。


出典:

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