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しいたけの白いものはカビ?気中菌糸との見分け方と、ひだが黒いときの判断

しいたけの傘や軸についた白いふわふわ(綿のようなもの)は、多くがしいたけ自身の菌糸が伸びたもので、「気中菌糸(きちゅうきんし)」と呼ばれます。カビとは別のものです。ただし、カビにも生えはじめは白いものがあり、見た目だけで言い切れないこともあります。迷ったら食べないのが基本です。

一方で、緑・青・黒などの色がついたもの、ぬめり、ムレたにおい、ひだが濃い茶色や紫っぽい茶色になったものは、傷みのサインです。この記事では、白いもの・黒いものの正体と、台所で「食べるか、処分するか」を決める順番をまとめます。

採ったばかりの肉厚な原木しいたけ。傘に白いささくれが散っている 写真:採ったばかりの原木しいたけ。傘の白いささくれは、採ったときからあるもの

結論:見えたもの別の見分け方

見えたもの正体の見当どうするか
傘や軸の表面に、白い綿・糸のようなもの気中菌糸(しいたけ自身の菌糸)のことが多い。白いカビのこともある傘や軸の表面だけで、軸の下や傷口から広がっておらず、色が混じらず、におい・ぬめりもないときに限り、拭き取ってその日のうちに加熱。見分けがつかなければ処分
パックの内側や傘の上に、白い粉胞子(しいたけが飛ばしたもの)払ってから使う
ひだに茶色い点、全体がうすい茶色鮮度が落ちはじめたサインその日のうちに加熱して使い切る
石づきの切り口だけが紫っぽい・黒っぽい切り口の変色薄く切り落とし、ひだと傘を見て決める
緑・青・黒などのふわふわ・粉。軸の下や傷口から広がる白い綿カビの疑い食べずに処分
ひだ全体が濃い茶色、ひだの一部が急に紫褐色〜暗い茶色、傘が黒っぽい傷みが進んだ段階食べずに処分
ぬめり、ムレたにおい、いつもと違うにおい傷み食べずに処分

ひとつでも「処分」の行に当てはまれば、ほかがきれいでも食べないでください。迷ったときも、食べないほうを選びます。

しいたけの白いもの・黒いものの見分け方。使えるものと、処分するもの 図:中伊豆BASE作成(出典:広島県立総合技術研究所「異物分析マニュアル」、島根県中山間地域研究センター研究報告15号)

白いふわふわの正体:気中菌糸とカビの違い

しいたけは、もともと「菌糸」という細い糸が集まってできています。採ったあとも生きていて、保存しているあいだに、その菌糸が傘や軸の表面から伸びてくることがあります。これが気中菌糸です。

広島県立総合技術研究所の資料は、きのこが「食材として扱われる段階でも生きている」ために起きる変化として、胞子の飛散・乾燥・褐変(茶色くなること)と並べて、気中菌糸を挙げています。説明は「きのこの傘部分などから菌糸が伸びる」です。外から何かがついたのではなく、しいたけ自身の変化です。

ただし、カビか気中菌糸かは、見た目で言い切れないこともあります。 カビにも、生えはじめは白いものがあるからです。色だけで「白だから大丈夫」と決めず、出ている場所・色の混じり・におい・ぬめりをまとめて見てください。迷ったら食べないでください。

気中菌糸カビ
正体しいたけ自身の菌糸しいたけ以外の菌
色白緑・青・黒など。生えはじめは白いものもある
見え方綿・細い糸。傘や軸の表面から伸びる軸の下(おがくず)や傷口から広がる。白い中にほかの色が混じる
出た例傘・軸の表面(広島県の資料)軸の下に付いていたおがくずの上(島根県の試験)
扱い傘や軸の表面だけで、色が混じらず、におい・ぬめりもないときに限り、拭き取ってその日のうちに加熱。見分けがつかなければ処分食べずに処分

島根県中山間地域研究センターの試験(2019年)では、冷蔵(8℃)していた菌床しいたけの1個で、収穫から4日後に、軸の下に付いていたおがくずを緑色の菌(トリコデルマ属の一種)が覆いました。冷蔵庫に入れていても、カビが出ることはあるということです。

もうひとつ覚えておきたいのは、気中菌糸は「保存の時間がたった」サインでもあることです。広島県の資料も、気中菌糸を「好ましくない外観変化」のひとつとしています。白い綿を見つけたら、拭き取ったうえで、ひだの色・におい・ぬめりも確かめて、その日のうちに加熱して使い切ってください。少しでも迷うものは処分します。

白い粉と、傘の白いささくれ

パックの中の白い粉は胞子

広島県の資料には「包装後に容器内できのこが胞子を飛ばすと、白い粉が付着しているように見える」とあります。しいたけの胞子は、ひだから落ちる、とても細かい粉です。キッチンペーパーで軽く払えば落ちます。

傘の白いささくれは、採ったときからある

原木しいたけでは、冒頭の写真のように、採ったときから傘に白いささくれが散っていることがあります。傘の表面にぴったり貼りついた乾いた模様で、保存中に綿のように伸びてくる気中菌糸とは、見え方が違います。

ひだが茶色い・黒いとき:色が変わる順番

ひだ(傘の裏のひらひらした部分)は、鮮度がいちばん出やすい場所です。島根県の試験では、パック詰めのしいたけを8℃と15℃で保存して、色の変わり方を観察しています。

  1. 白〜クリーム色:新しい状態
  2. 茶色い斑点:鮮度が落ちはじめ
  3. 全体が淡褐色〜濃褐色:数日かけてゆっくり進む
  4. 一部が急に紫褐色:前日まで兆しがなく、翌日には広がって暗い茶色に

この試験で「商品にならない」と判断した基準は、観察した3人に共通して、4番目の「ひだの一部の変色」でした。ひだ全体の変色が著しく濃い色になったことも、理由に挙げられています。傘の表面も、茶色から暗い茶色へと変わり、最後は黒くなりました。

ひだの色が変わる順番と、8℃・15℃での日数の違い 図:中伊豆BASE作成(出典:冨川康之「シイタケ子実体の品質劣化に及ぼす温度の影響」島根県中山間地域研究センター研究報告15号、2019年)

早さは温度で大きく変わりました。

8℃(冷蔵)15℃(室温に近い)
ひだの変色ゆるやかに進む収穫後5〜8日目に急に増える
商品にならないパック15日目まで出なかった6日目に出はじめ、10日後には生産者5人のうち4人の分が全パック

石川県林業試験場の試験(2005年)でも、15℃では7日目(予冷後の保存日数)にひだが斑点状に茶色くなり、1℃では14日目でも変色が見られませんでした。どちらも菌床しいたけの試験なので、原木しいたけで同じ日数になるとは限りません。それでも「冷やすほど、ひだの変化はおそい」という傾向は参考になります。

石づきの切り口が黒いのは別の話

島根県の試験では、軸の下を刃物で切ってあったものは、8℃でも15℃でも、収穫から4日後ごろから、切り口が紫褐色になり、次いで暗い茶色になりました。冷蔵していても起きる変化です。切り口だけが黒いときは、そこを薄く切り落とし、ひだと傘の色で判断してください。

台所での確かめ方:食べるか、処分するか

白いものや変色を見つけたら、次の順で確かめます。

  1. 色と場所を見る。 緑・青・黒などの色がついたもの、白い中にほかの色が混じるもの、軸の下や傷口から広がる白い綿があれば、その時点で処分
  2. ひだを見る。 全体が濃い茶色、または一部が紫っぽい茶色〜暗い茶色なら処分。茶色い点や全体のうすい茶色なら、その日のうちに使う
  3. さわる。 ぬめりがあれば処分
  4. においをかぐ。 広島県の資料には「劣化したしいたけからムレ臭がすることがある」とあります。ムレたにおい、いつもと違うにおいがすれば処分
  5. ここまで問題がなければ、 白い綿や粉はキッチンペーパーで拭き取り、その日のうちに加熱して使う。どこかで迷ったら処分

カビが出たものは、見える部分だけを切り取って使うことはしないでください。パックの中で1個だけ傷んでいたら、触れていたほかのものも1個ずつ同じ順で確かめます。

白いもの・変色を出しにくい保存のしかた

どちらも、時間と温度で進む変化です。届いたら、すぐ冷蔵庫に入れることがいちばん効きます。

  • 箱や袋を開けたら、すぐ冷蔵庫の野菜室へ
  • ひだを上にして、キッチンペーパーで包む(JAグループ)
  • 紙が湿ったら、新しいものに替える
  • 数日で食べきれない分は、白いものや変色が出る前に冷凍する

くわしい手順と日持ちの目安は、生しいたけの保存方法と日持ちにまとめています。店頭で新しいものを選ぶ見方は、新鮮なしいたけの選び方をご覧ください。

原木しいたけの育ち方は原木しいたけとはで紹介しています。中伊豆BASEは、研修先や周辺の原木しいたけ林家さんの販売をお手伝いしています。お届けするしいたけは、収穫後にまず冷やしてから送ることにしています。


出典:

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