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しいたけの天ぷらの揚げ方|衣がはがれにくい下ごしらえと油の温度

しいたけの天ぷらで衣をはがれにくくするコツは、水気を拭く・薄力粉を薄くまぶしてから衣をつける・衣を混ぜすぎないの3つです。しいたけは水分が多く、傘の裏にひだのすき間がある食材なので、衣をつける前の下ごしらえで差が出ます。油は170℃前後で、返しながら表面がサクッとするまで揚げます。

この記事では、手順と、衣がはがれる理由、肉厚なしいたけの切り方、温度の見分け方を、農林水産省や食品成分表などの資料をもとにまとめます。

収穫した、傘の丸い原木しいたけが重なっている 写真:収穫した原木しいたけ

結論:しいたけの天ぷらは5ステップ

  1. 汚れを拭き、水気をとる。基本は洗わずに、湿らせたキッチンペーパーで拭きます。洗ったときは、ひだの水までよく拭き取ります(洗う・洗わないの判断は生しいたけは洗う?洗わない?へ)
  2. 石づきを落とし、大きいものは切る。石づき(軸の先の固い部分)の見分け方はしいたけの石づきの取り方で紹介しています
  3. 薄力粉を薄くまぶす。ひだのすき間まで粉をなじませ、余分な粉は落とします
  4. 冷たい水で衣をつくり、さっとくぐらせる。混ぜすぎず、だまが少し残るくらいで止めます
  5. 170℃前後の油で、返しながら揚げる。表面がサクッとしたら引き上げ、油を切ります。塩か天つゆでいただきます

分量の一例として、管理栄養士監修のDELISH KITCHENのレシピは、しいたけ6個に天ぷら粉50g・水40ccの衣を合わせ、鍋の底から3cmほどの油を170℃に熱して揚げています。

しいたけの天ぷらの5つの手順と、衣を落として油の温度を見分ける目安 図:中伊豆BASE作成(出典:農林水産省、日本植物油協会、文部科学省「日本食品標準成分表(八訂)増補2023年」表12、日立グローバルライフソリューションズ、DELISH KITCHEN)

衣がはがれる3つの原因と防ぎ方

気をつけることやること
表面の水気洗ったら、ひだまで拭き取る
打ち粉をしていない薄力粉を薄くまぶしてから衣をつける
衣の粘り冷たい水で、混ぜすぎない。揚げる直前につくる

表面の水気は、ひだまで拭き取る

日立のIHクッキングヒーターの天ぷらのレシピは、「特にしいたけやピーマンなどは、水気が残っていると破裂することがあります」と注意しています。文部科学省の食品成分表では、生しいたけはおよそ9割が水分です(菌床栽培で可食部100gあたり89.6g)。しいたけの中にも水が多いので、せめて表面の水は拭き取ってから揚げます。

打ち粉は、ひだのすき間まで

同じレシピは「水分の多い材料には、必ず薄力粉をまぶしてから衣をつけてください」としています。しいたけは傘の裏にひだがあり、凹凸の多い食材です。粉は、ひだのすき間までなじませます。粉が多すぎると衣が厚くなるので、まぶしたら軽くはたいて余分を落とします。

衣は冷たい水で、混ぜすぎない

天ぷらの衣は、小麦粉の粘り(グルテン)をできるだけ出さないことが要点とされています(日本調理科学会誌、2019年)。日立のレシピも、衣は「だまが残るくらいにさっくりと切るように混ぜ、粘りを出さないように」と書いています。衣は揚げる直前に、冷たい水でつくります。

肉厚な原木しいたけは、切ってから揚げる

文部科学省の食品成分表には、生しいたけ(菌床栽培)の天ぷらの数字が載っています。その調理条件は、柄(軸)を除き、傘の直径が6cm以上のものは、そぎ切りにして2つに分けるというものです。味の素のレシピでも、しいたけは軸を切り、半分に切ってから揚げています。

原木しいたけは肉厚なものが多く、大きさや厚みにばらつきがあります(育ち方の違いは原木しいたけとはで紹介しています)。厚いものほど、衣が色づくころに中まで火が通っているかを確かめにくくなります。大きさで切り分けて、厚みをそろえておくと揚げやすくなります。

しいたけの大きさ切り方の目安
傘の直径6cm未満丸ごと
傘の直径6cm以上包丁を斜めに入れてそぎ切りにし、2つに

成分表の条件は軸ごと除いていますが、家庭では石づきだけ落として、軸をつけたまま揚げてもかまいません。

しいたけは、衣を多く抱える

同じ食品成分表には、天ぷらにしたとき、衣にどれだけ粉が入り、どれだけ油を吸ったかの数字もあります(表13)。生の材料100gあたりで比べると、こうなります。

生の材料100gあたり衣に入った粉(天ぷら粉)吸った油
さつまいも6.1g6.2g
なす11.1g15.2g
生しいたけ(菌床栽培)26.4g20.8g
ぶなしめじ50.4g32.3g

しいたけは、さつまいもの4倍以上の粉を衣として抱えています。成分表の条件では、生のしいたけ100gが衣をつけて167.7gになり、揚げ上がりは150gになります。表からは、ひだや細かいすき間のあるきのこほど、衣が多くつき、油も多く吸う傾向が読み取れます(読み取りは中伊豆BASEによるものです)。

しいたけの天ぷらが重く感じるときは、ひだ側に衣がたまりすぎていることが考えられます。衣にくぐらせたら、ボウルのふちで軽く落としてから油に入れます。

生の材料100gを天ぷらにしたときの、衣に入った粉と吸った油の量。しいたけはさつまいも・なすより多い 図:中伊豆BASE作成(出典:文部科学省「日本食品標準成分表(八訂)増補2023年」表13)

なお、成分表に原木しいたけの天ぷらの数字はありません。上の値は菌床栽培の生しいたけのものです。

油の温度と、揚げ上がりの目安

農林水産省は、家庭の揚げ物の油の温度を「野菜は170℃くらい、肉や魚は175〜180℃くらいが基本」としています。日本植物油協会も同じ目安を示しています。しいたけは野菜と同じ170℃前後を目安にします。

温度計がないときは、衣を少し落として沈み方を見ます。

衣を落としたときの様子温度の目安
鍋底まで沈み、ゆっくり浮き上がる低温 150〜160℃
途中まで沈み、すぐ浮き上がる中温 170〜180℃
すぐに浮き上がる高温 180〜190℃

出典:DELISH KITCHEN「揚げ油の温度の見分け方」

揚げるときは、次の3つを守ると温度が下がりにくくなります。

  • 一度に入れるのは、油の表面の半分くらいまで。入れすぎると油の温度が下がります(農林水産省)
  • 途中で軽く返す。全体に均一に火を通します(同)
  • 口の広い鍋を使う。蒸気が飛びやすく、からっと揚がります(同)

揚げ時間は、味の素のレシピでは160℃で3分ほどです。ただ、しいたけの大きさと厚みで変わるので、時間より、表面がサクッとしたかを目印にします。

揚げるときの注意

  • 揚げている間は、コンロから離れない。西宮市消防局は、油は約340〜370℃で発火し、火にかけた数分後に火災になることがあると注意しています。離れるときは、必ず火を消します(総務省消防庁)
  • 少ない油ほど、温度が早く上がる。同じ消防局は、少量の油で揚げると温度が急に上がり、調理油過熱防止装置が働かない場合があるとしています
  • 燃えた油に水をかけない。過熱した天ぷら油に水をかけるのは危険です(西宮市消防局)
  • しいたけの水気を拭く。最初に書いたとおり、水気が残ると破裂することがあります

天ぷらのほかの食べ方は、原木しいたけの焼き方、しいたけの炒め方にまとめています。

中伊豆BASEは、研修先や周辺の原木しいたけ林家さんの販売をお手伝いしています。


出典:

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