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しいたけは冷凍できる?生との違いと、冷凍の手順・向く料理

しいたけは冷凍できます。家庭の冷凍庫なら1か月を目安に使い切ります。使う大きさに切ってから凍らせ、解凍せずに加熱するのが、いちばん失敗しにくい方法です。

生と冷凍で、味や食感に大きな差はないという研究結果があります。ただ、丸ごと焼くなら生、汁物や煮物なら冷凍と、向く料理は少し違います。この記事では、研究機関の論文や公的な資料をもとに、冷凍の手順と使い分けをまとめます。

結論:冷凍できる。目安は1か月、凍ったまま加熱

項目目安
保存期間家庭の冷凍庫で1か月(水戸市「食材の上手な保存方法」)
下ごしらえ石づき(軸の先の固い部分)を落とし、かさと軸を分けて、使う大きさに切る
使うとき解凍せず、凍ったまま鍋やフライパンへ

研究機関の試験では、マイナス20℃で1年以上冷凍した原木しいたけでも、収穫したときとほぼ同じ食味を保てたという報告があります(日本きのこセンター菌蕈研究所、2018年)。ただしこれは業務用の冷凍倉庫での試験で、著者も「これを確認するためには、繰り返しの試験が必要である」としています。家庭の冷凍庫は開け閉めで温度が変わるので、1か月を目安にするのが無難です。

生と冷凍の違い

鳥取の日本きのこセンター菌蕈研究所は、原木しいたけを使って、生と冷凍を食べ比べています(2019年)。結果をまとめると次のとおりです。

生(冷蔵)冷凍
香り・味穏やか。「クセがなく食べやすい」という声もやや強く感じる傾向
食感大きな差はなし大きな差はなし
ゆでたとき―切ってから冷凍したものは、香りとゆで汁の味で生より高い評価
丸ごと焼いたとき―丸ごと冷凍したものは、全体に評価が低め

研究者は、この違いを「個人の嗜好によって良し悪しが分かれるもの」としています。冷凍は生の代わりというより、少し性格の違う食材と考えると使い分けやすくなります。

「冷凍するとうま味が増える」は本当?

半分は本当です。正確には「冷凍しただけでは増えない。冷凍してから加熱すると、増えることがある」です。

しいたけのうま味成分の一つ、グアニル酸は、生のしいたけにはわずかしか含まれていません。加熱の途中で、しいたけ自身が持つ酵素がつくり出します(日本食生活学会誌、2015年)。冷凍すると細胞がこわれて、この酵素がはたらきやすくなります。

研究ごとの結果は次のとおりです。

研究結果
日本調理科学会誌(1996年)冷凍して組織がこわれたしいたけを水から加熱すると、うま味成分が増えた
日本食生活学会誌(2006年)冷凍してから加熱したしいたけは、生を加熱したものよりグアニル酸がはっきり多かった
菌蕈研究所(2019年・原木しいたけ)70℃で30分温める方法で比べると、生と冷凍で差はなかった

2019年の研究は、差が出なかった理由を「70℃前後でじっくり温めると、生でも冷凍でもグアニル酸がほぼ最大までできるため」と考えています。つまり冷凍の効果は、加熱のしかたで変わります。「冷凍すればいつでもうま味が増える」とまでは言えません。

冷凍の手順

  1. 汚れを落とす。きのこは洗うと水っぽくなり、風味が逃げます。洗わずに、軽く払うか、湿らせたキッチンペーパーで拭くのが基本です(JAグループ)
  2. 石づきを切り落とし、かさと軸を分ける(JAグループ)
  3. 使う大きさに切る。薄切りや、4〜8等分のくし形など。研究では、丸ごとより切ってから冷凍したほうが、全体の評価が高くなりました(菌蕈研究所、2019年)
  4. 保存袋に、なるべく重ならないように入れて冷凍する。平らにしておくと、使う分だけ取り出しやすくなります
  5. 袋に日付を書く。1か月を目安に使い切ります

もう一つのポイントは、しなびる前に冷凍することです。2018年の研究では、冷凍前に水分を抜いたものや、乾いた天気で育った水分の少ないものは、調理後の食感の評価が低くなりました。冷蔵庫で日数がたったものを比べた研究ではありませんが、水分が抜ける前に冷凍するほうが安心です。数日で食べきれないと分かったら、早めに冷凍に回してください。

冷凍しいたけの使い方

解凍せず、凍ったまま加熱する

きのこは調理前にしっかり解凍してしまうと、見た目も味も落ちると、研究者も論文の中で述べています(菌蕈研究所、2019年)。凍ったまま鍋やフライパンに入れてください。JAグループも「そのまま鍋に入れるとうま味が逃げない」としています。

汁物・煮物は「水から」

煮汁ごと食べる料理は、冷たい水やだしに凍ったしいたけを入れてから火にかけます。沸騰したお湯に入れるより、水からゆっくり温めたほうが、うま味成分が多くできたという結果があります(日本調理科学会誌、1996年)。

丸ごと凍らせたものを切りたいとき

袋に入れたまま流水にあてて、包丁が入るやわらかさまで半解凍します。

なお研究では、凍ったしいたけを流水に10分ほどあてる方法が、比べた解凍方法の中で成分の変化が少なく、味のバランスもよいという結果でした。反対に、熱湯で解凍したものは成分が少なく、味が薄くなりました(菌蕈研究所、2018年)。

生で使う料理、冷凍で使う料理

料理向いているもの理由
焼きしいたけ・ステーキ(丸ごと)生か冷凍、好みで丸ごと冷凍して焼いたものは評価が低めだったが、統計上はっきりした差ではない(くらべた生は切って焼いたもの)。かさの形と歯ごたえを楽しむなら生。くわしくは冷凍しいたけが美味しくなるのはどんな料理?
炒め物・ソテー(切って使う)どちらでも切って冷凍したものは、焼いても生と大きな差がなかった
蒸し料理どちらでも丸ごと蒸して比べたときは、ほとんど差がなかった
汁物・鍋・煮物冷凍切って冷凍しゆでたものは、香りとゆで汁の評価が生より高かった
炊き込みご飯冷凍冷凍したしいたけを使ったほうが、味が好まれた(2006年)

数日で食べきれないときは、焼く分だけ生で残し、残りを切って冷凍しておく。こうすると、届いたしいたけを最後までむだなく使えます。

ここで紹介した研究のうち2本は、原木しいたけを使ったものです。原木と菌床の表示の読み方は原木しいたけと菌床しいたけの見分け方、育ち方の違いは原木しいたけとはで紹介しています。

中伊豆BASEでは、研修先や周辺の原木しいたけ林家さんの販売をお手伝いしています。


出典:

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