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生しいたけと干ししいたけの違い|料理での使い分けと置き換えの目安

収穫した、傘の丸い原木しいたけが重なっている 写真:収穫した原木しいたけ

生しいたけと干ししいたけのいちばんの違いは、水分の量と、料理での役割です。生は素材の味と食感を、干しは強い香りとだしを生かします。レシピで置き換えるときの重さは、干し1に対して生5を中伊豆BASEの目安にしています。干し10gなら、生約50gです。

この記事では、料理ごとの使い分けと、置き換えるときに変える手順を、公的な資料などを参考に、中伊豆BASEが目安としてまとめます。

結論:食感を食べるなら生、香りとだしを使うなら干し

和歌山県の資料は、生は「そのものの味や食感を楽しみ」、乾燥は「強い香りを生かしてこくのあるうまみをひき出して使う」と説明しています。台所で困らないように、違いを表にします。

生しいたけ干ししいたけ
水分(100gあたり)88.3g(原木)/89.6g(菌床)9.1g
生かすもの素材の味と食感強い香りと、こくのあるうま味
使う前の準備汚れを払い、石づきを切る冷蔵庫の水で戻す。薄いもので約5時間、肉厚のもので約10時間
戻し汁なしだしとして使える
食感やわらかい戻したものは弾力があり、歯ごたえがある

水分の数字は文部科学省の食品成分データベース、食感は乾しいたけを扱う姫野一郎商店の説明によります。

干ししいたけの香りは、干す工程で生まれます。大分県椎茸農業協同組合は、香り成分のレンチオニンを、乾燥の際に熱と酵素のはたらきでできる「乾しいたけ特有の物質」と説明しています。そのため、生と干しを入れ替えると、同じ料理でも香りは変わります。

干ししいたけ。傘の表と、裏のひだが見えている 写真:干ししいたけの一例(産地不明)/Susan Slater/CC BY-SA 4.0/Wikimedia Commons

料理別:どちらを使うかの早見表

どちらでも作れる料理は多いので、「まず選ぶなら」は中伊豆BASEの目安です。

料理まず選ぶなら理由・メモ
焼きしいたけ生素材の味と食感をそのまま食べる料理。焼き方はこちら
炒め物生。肉厚の干しも可生は水分の飛ばし方がコツ(炒め方)。大分県椎茸農協は、肉厚のどんこを中華炒めに向くとしています
天ぷら生生は揚げ物にも広く使われます(うま味インフォメーションセンター)
煮物・煮しめ干し。生でも作れる干しは主に煮物に使われます(同センター)。農林水産省の郷土料理集には、生しいたけの煮しめ(岩手県)もあります
寿司の具干し岩国寿司(山口県)や大阪寿司は、戻した干ししいたけを甘辛く煮て使います(農林水産省)
精進だし干し昆布と合わせてだしを取ります。作り方はこちら
味噌汁・スープどちらも生は具の食感、干しはだしも取れます。スライス干しは戻さず使えます

料理別の使い分けの早見表。焼きしいたけと天ぷらは生、寿司の具と精進だしは干し、炒め物と煮物はどちらでも作れる 図:中伊豆BASE作成(出典:農林水産省「うちの郷土料理」、大分県椎茸農業協同組合、うま味インフォメーションセンター)

干ししいたけの中での使い分けは、どんこと香信の違いにまとめています。

置き換えの目安:重さは「干し1:生5」

検索すると、干ししいたけの倍率はいくつも出てきます。どれかが間違いというより、何を比べた数字かが違います。

倍率何の数字か出典
約4倍干し椎茸の戻し率船橋市学校栄養士会「重量目安表」
5.7倍水で戻してゆで、湯を切ったあとの重量変化率(570%)文部科学省 食品成分表(八訂)増補2023年
7倍統計で、乾しいたけを生の重さに換算する率農林水産省「特用林産基礎資料」
約10倍値段を比べるときの、生に換算した量の目安茨城県

レシピの置き換えでは、料理に入れるときの重さに近い上の2つを使います。約4倍は戻したあと、5.7倍は戻してゆでて湯を切ったあとの数字です。厚生労働省も、食品の検査で乾燥しいたけの水戻しを換算するときに、この5.7を使っています。

ここでは2つの間をとって、約5倍で計算します。この5倍は中伊豆BASEが丸めた目安で、公的な換算値ではありません。

干ししいたけ戻したあと〜ゆでたあと(4〜5.7倍)生しいたけの目安(約5倍)
5g20〜29g約25g
10g40〜57g約50g
20g80〜114g約100g
30g120〜171g約150g

生のほうも、調理で重さが変わります。成分表では、生しいたけはゆでると約110%(原木・菌床とも)に、油いためでは原木84%、菌床92%になります。同じ「ゆで」で比べると、生100gは約110g、干し20gは約114g(5.7倍)で、量がほぼそろいます。どちらも軸を除いた条件の数字です。

置き換えの目安の図。干し10gは戻したあと〜ゆでたあとで40〜57gになり、生しいたけ約50gを目安にする。干し5gは生約25g、20gは約100g、30gは約150g 図:中伊豆BASE作成(出典:文部科学省 日本食品標準成分表(八訂)増補2023年 表12、船橋市学校栄養士会「重量目安表」)

枚数で書かれているレシピは、どうする?

1枚の重さは大きさで大きく変わるので、枚数での換算はずれやすくなります。干ししいたけ1枚の重さの公的な目安は、見つけられませんでした。手元の袋の内容量を枚数で割るか、1枚量ってみるのが確実です。生しいたけは、1個を正味15gとする管理栄養士の目安表があります(Eatreat)。肉厚のものはもっと重くなります。

形を見せる煮物なら、枚数をそろえる考え方もあります。農林水産省の郷土料理集では、宮崎県の煮しめは4人分で乾しいたけ4枚、岩手県の煮しめは10人分で生しいたけ10枚と、どちらも1人1枚です。

干しのレシピを、生で作るとき

ここからの手順は、資料をもとにした中伊豆BASEの目安です。試作で分量を確かめたものではないので、様子を見ながら調整してください。

  1. 重さを約5倍にする。 干し10gなら生約50g。枚数で書かれた煮物は、枚数のままでもかまいません
  2. 戻し汁の分を、だしに替える。 たとえば岩国寿司は戻し汁を100ml使います。生には戻し汁がないので、同じ量のだしを用意し、はじめは控えめに入れます。昆布と生しいたけを水から火にかける方法は、上で案内した精進だしのコラムで紹介しています
  3. 煮汁は控えめから始める。 干しは煮汁をたっぷり含むとされます(姫野一郎商店)。生は干しほど吸わないと考えて、様子を見て足してください
  4. 香りは別のものと考える。 生で作ると、干しと同じ香りにはなりません

生のレシピを、干しで作るとき

  1. 重さを約5分の1にする。 生100gなら干し20g。香りが強くなるので、はじめは少なめでも大丈夫です
  2. 戻す時間を先に足す。 薄いもので約5時間、肉厚のもので約10時間です。前の晩に冷蔵庫へ入れておくと間に合います。急ぐときの方法もあります
  3. 水気を切ってから使う。 岩国寿司の手順でも、戻したしいたけは水気を切ってから切って煮ています
  4. レシピの水の一部を、戻し汁に替える。 味が濃くなりすぎるときは薄めます。山口県の林業研究グループのカレーでは、戻し汁と水を1:3で合わせています
  5. 丸ごと焼く料理は、別の料理と考える。 肉厚で大きな乾しいたけをステーキにする食べ方もありますが(大分県椎茸農協)、生を焼いたときとは食感も香りも変わります

どちらも、中まで火を通す

生も干しも、十分に加熱して食べてください。フランスの食品安全当局は、生・乾燥・粉末にかかわらず、しいたけは中心部まで加熱するよう呼びかけています(食品安全委員会の情報より)。これをふまえて、中伊豆BASEでは、戻したしいたけと戻し汁も加熱する料理に使うことをおすすめしています。

迷ったら、両方使う

干しでだしを取り、生を具にすれば、香りと食感の両方が入ります。

  1. 干ししいたけを冷蔵庫の水で戻す
  2. 戻し汁をだしにして、刻んだ干ししいたけを煮る
  3. 切った生しいたけを加えて、火を通す

家に置いておくときは、干しは湿気を避けて長くもたせ、生は早めに使うのが基本です。くわしくは干ししいたけの保存方法と生しいたけの保存方法にまとめています。原木と菌床の育ち方の違いは、原木しいたけとはで紹介しています。

中伊豆BASEでは、研修先や周辺の原木しいたけ林家さんの販売をお手伝いしています。


出典:

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