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しいたけの旬はいつ?原木は春と秋、冬菌と夏菌で変わる出回り時期

しいたけの旬は、原木栽培なら春と秋です。秋は9月の後半から11月ごろ、春は春先の雨のあとによく採れます(浜松市)。一方、スーパーで一年中見かける菌床しいたけは、室内で温度や湿度を管理して育てるので、季節を問わず出回ります(農畜産業振興機構)。

この記事では、季節ごとの呼び名、生産者のあいだで使われる「冬菌」と「夏菌」の違い、旬のしいたけの選び方と料理での使い分けをまとめます。

結論:原木は「春と秋」、菌床は「一年中」

原木しいたけ菌床しいたけ
育つ場所林の中など、屋外温度・湿度を管理した室内
旬春と秋(冬に出ることもある)とくになし。一年中ほぼ同じように出回る
季節の影響気温や雨で、採れる量も形も変わる受けにくい

いま流通しているしいたけの約9割は菌床栽培です(農畜産業振興機構)。「しいたけは一年中あるもの」と感じるのは、このためです。

原木しいたけは、ほだ木(しいたけの菌を植えた原木)から、外の気温に合わせて出てきます。百科事典でも、しいたけの発生期(ほだ木からしいたけが出てくる時期)は「春と秋」とされています(日本大百科全書)。原木と菌床の育ち方の違いは、原木しいたけとはで紹介しています。

季節ごとの呼び名と特徴

原木しいたけは、採れる時期で呼び名が変わります。浜松市(天竜地域)の紹介では、「春子(はるこ)・藤子(ふじこ)・秋子(あきこ)・寒子(かんこ)」と呼ばれています。島根県も、春に採れるものを「春子」、秋に採れるものを「秋子」と紹介しています。主な3つを、季節の順に並べます。

呼び名時期の目安特徴
秋子9月後半〜11月ごろその年の最初に採れる「走り」。雨の多い時期に出るので、水分が多め
寒子12月〜2月ごろ寒さの中でゆっくり育つ
春子春先〜春発生の最盛期。晩冬から初春のものは身が締まって肉厚

出典:秋子の時期と「走り」は浜松市、秋子の水分は岩手県、春の最盛期と晩冬〜初春の肉厚は北九州市の資料から。寒子の時期は目安です。

時期は地域と、その年の気温や雨で前後します。

いちばん肉厚になるのは、冬の終わりから春先

北九州市は、「厳しい寒さが続く晩冬から初春」のしいたけは身が引き締まって肉厚になる、と紹介しています。こうした肉厚のものを、傘が開ききる前に干したものが「冬菇(どんこ)」と呼ばれます。

寒い時期はゆっくり育つので、傘が開く前に厚みが増しやすくなります。どんこと香信(こうしん)の違いは、どんこと香信(こうしん)の違いで詳しく紹介しています。

冬菌と夏菌の違い

生産者のあいだでは、しいたけの品種(菌の種類)を「冬菌(ふゆきん)」「夏菌(なつきん)」と分けて呼ぶことがあります。もとになっているのは、しいたけが出てくる温度による品種の分け方です。

品種の分け方発生する温度の目安
低温性5〜15℃
中温性10〜20℃
高温性15〜25℃

出典:北海道立総合研究機構 林産試験場。百科事典にも同じ分け方があります(日本大百科全書)。

低い温度で出る品種が「冬菌」、高い温度で出る品種が「夏菌」と考えると分かりやすいです。違いの傾向をまとめます。品種や育て方で変わるので、目安として見てください。

冬菌夏菌
出る時期秋の終わり〜春が多い気温の高い時期が多い
育ち方寒さの中でゆっくり育つ傾向暖かいので早く育つ傾向
形の傾向傘が開く前に厚みが出やすい傘が開きやすく、平たくなりやすい
出し方主に気温に合わせて出るほだ木を水に浸ける(浸水)などして出すこともある

長野県林業総合センターの栽培試験でも、5〜9月にほだ木を水に浸けて(浸水発生処理)、しいたけを出しています。

中伊豆で販売をお手伝いしている林家さんの場合、冬菌はおおむね11月から採れはじめ、夏菌は10月ごろまで採れます。冬菌と夏菌を組み合わせると、原木しいたけでも出回る時期を長くできます。

夏に出る原木しいたけは、旬はずれ?

旬はずれというより、夏に向いた品種で育てたものと考えるとよいです。冬菌のような肉厚さとは違い、傘が開いた平たいものが多くなる傾向があります。焼くより、薄切りにして炒め物や汁物に使うと扱いやすいです。

「いつ採れたものか」を知るには

生しいたけのパックの主な表示は、名称・原産地・栽培方法です(東京都の食品表示の手引き)。採れた時期や品種は、表示の決まりには入っていません。

時期を知りたいときは、次の順で確かめます。

  1. 栽培方法の欄を見る。「菌床」なら季節の影響は小さく、「原木」なら季節で中身が変わります
  2. 形を見る。丸く盛り上がって肉厚なら、寒い時期にゆっくり育ったものの可能性が高いです
  3. 直売所や通販なら聞いてみる。「冬菌ですか、夏菌ですか」「いつごろ採れたものですか」と聞けば、生産者や販売店は答えやすい質問です

季節に合わせた選び方と料理

どの季節でも、選び方の基本は同じです。傘が開ききっていない、ひだが白い、肉厚のものが新鮮です(農畜産業振興機構)。そのうえで、季節ごとの向き不向きを目安にしてください。

時期出回りやすいもの向く料理
秋(9〜11月)秋子。水分が多め炊き込みご飯、鍋、きのこの炒め物
冬(12〜2月ごろ)寒さで締まった肉厚のもの焼きしいたけ、しいたけステーキ、含め煮
春(3月ごろから)春子。量が多く、選びやすい焼き物、天ぷら、肉詰め
夏(6〜8月)菌床が中心。原木は夏菌のもの薄切りにして炒め物、汁物、パスタ

水分の多い秋子は、焼くと水が出やすくなります。強めの火で手早く焼くか、鍋や炊き込みご飯のように、出た水分ごと食べる料理に使うとむだがありません。

肉厚のものが出回る冬の終わりから春先は、しいたけを主役にした料理を作りやすい時期です。

中伊豆BASEは、研修先や周辺の原木しいたけ林家さんの販売をお手伝いしています。


出典:

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