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伊豆の原木しいたけ|産地の歩み・旬の時期・買える場所の探し方

伊豆は、原木しいたけ栽培の発祥の地といわれる産地です(静岡県)。江戸時代の後半に栽培が始まり、伊豆から全国へ広がったと伝えられています。いまも伊豆産のしいたけは、ほとんどが原木栽培です。

伊豆の伏せ場では、冬菌(寒さに強い品種)がおおむね11月から、夏菌(暑さに強い品種)が10月ごろまで採れます。買うときは、パックの「栽培方法」と「原産地」の2つの欄を見ると、伊豆の原木しいたけかどうかが分かります。

原木しいたけそのもの(育て方や菌床しいたけとの違い)は、原木しいたけとはにまとめました。この記事では、伊豆という産地に絞って、歩み・採れる時期・買い方を紹介します。

林の中に幾重にも組まれた原木しいたけの本伏せ 写真:お手伝いした山口しいたけさんの伏せ場

伊豆の原木しいたけの歩み

静岡県は、伊豆のしいたけ栽培を次のように紹介しています。

  • 栽培は江戸時代の後半から始まったとされる
  • 伊豆の石渡清助(いしわた せいすけ)という人が初めて人工栽培をしたといわれ、伊豆から全国へ栽培方法が広がった
  • いまも伊豆産のしいたけは、ほとんどが原木栽培
  • 乾しいたけの形と味を競う全国乾椎茸品評会で、毎年上位に入賞している

伊豆市修善寺には、県の施設「静岡県きのこ総合センター」があります。館内には、しいたけ栽培の歴史を紹介する展示もあります。

原木を育てる森が、伊豆の景色をつくっている

ほだ木(しいたけの菌を植えた丸太)には、クヌギやコナラが使われます。伊豆の田方地域では、この原木林を15〜20年ごとに伐り、切り株から出る芽で森を育て直すことをくり返してきました。

伐ったばかりの場所と育ちかけの林が入りまじり、スギ・ヒノキの林とまだらの模様をつくっています。この景色は「伊豆のパッチ状里山林の風景 歴史的な椎茸の森」として、平成26年度の静岡県景観賞(優秀賞)に選ばれました。標高400m以下に、約5千haあると推定されています。

作り手は、四半世紀で約7分の1に

伊豆市でも、原木しいたけの作り手は減り続けています。2000年頃には350戸があったものが、2026年には実生産者は49戸です。

静岡県も、「生産者の高齢化に伴い、生産者数と生産量の減少が課題」と書いています。そこで県は2026年度、栽培の経験がない人でも基礎から学べる「原木しいたけ生産塾」を始めました。会場は伊豆市内のきのこ総合センターや生産現場などで、伐採から植菌、収穫、流通までを全5回で学びます(2026年9月16日の県の発表)。

中伊豆BASEも、伊豆市の地域おこし協力隊の研修生として、原木しいたけの栽培を学んでいます。

伊豆の原木しいたけの歩み。江戸時代後半の栽培の始まり、平成26年度の景観賞、2000年頃350戸から2026年の実生産者49戸、2026年の生産塾まで 図:中伊豆BASE作成(出典:静岡県「地域の特産物(生・乾しいたけ)」「静岡県景観賞」「原木しいたけ生産塾を開講します」。伊豆市の戸数は中伊豆BASE調べ)

伊豆の原木しいたけが採れる時期

伊豆の伏せ場(ほだ木を合掌型に組んで林の中に並べる「本伏せ」をしている場所)では、品種によって採れる時期が変わります。中伊豆で販売をお手伝いしている林家さんの場合の目安です。

時期の目安採れるもの特徴
11月ごろから冬菌(寒さに強い品種)寒さの中でゆっくり育ち、傘が開く前に厚みが出やすい
10月ごろまで夏菌(暑さに強い品種)気温の高い時期に出る。傘が開いた平たいものが多い

その年の気温や雨で前後します。季節ごとの呼び名や料理の使い分けは、しいたけの旬で紹介しています。

本伏せのほだ木の根元に出た原木しいたけ。大きめの1本と、小さめの3本 写真:お手伝いしている林家さんの伏せ場(2026年10月撮影)

採ったしいたけは、すぐには送りません。地元のJA(富士伊豆農業協同組合)の生椎茸出荷組合の規格でも、採ったあと冷やす(予冷する)ことが決められていて、朝に採ったものはその日に出荷しないことになっています(JA出荷の規格で紹介しています)。中伊豆BASEがお手伝いしている原木しいたけも、予冷してから送っています。通販で伊豆から取り寄せるときは、「採ってすぐ届くか」より「冷えたまま届くか」を見るのが、届いてからの日持ちにつながります。

伊豆の原木しいたけを見分ける:表示の2つの欄

パックや袋に入った生しいたけには、表示の欄があります。伊豆の原木しいたけかどうかは、次の2つで見分けます。

欄書かれること見るところ
栽培方法「原木」か「菌床」「原木」と書かれているか
原産地菌を植えた場所(植菌地)。国産は都道府県名が基本で、市町村名やよく知られた地名のこともある「静岡県」「伊豆市」など

気をつけたいのは、「伊豆産」だけでは原木とは限らないことです。伊豆産の菌床しいたけも、売り場に並んでいます。どちらもそれぞれのおいしさがあるので、原木を選びたいときは栽培方法の欄まで見てください。

原産地の欄の「植菌地」の意味など、表示の読み方は原木しいたけと菌床しいたけの見分け方でくわしく説明しています。

伊豆の原木しいたけを買える場所

通販では、生は見つけにくい

2026年9月に中伊豆BASEが楽天市場・Yahoo!ショッピング・食べチョクを調べたところ、伊豆産の原木しいたけは粉末や加工品が中心でした。生の原木しいたけを1kg単位でふつうに買えるお店は、ほとんど見つかりませんでした。

通販で探すときは、商品ページに「原木」と「静岡県(伊豆)」の両方が書かれているかを見ます。書かれていなければ、注文の前にお店に聞くのが確かです。

伊豆の売り場では、表示を見て選ぶ

伊豆に来たときに売り場で見かけたら、上の表の2つの欄を見てください。生しいたけの選び方(ひだ・傘・軸の見方)は、新鮮なしいたけの選び方にまとめています。

お店で食べる

ひつじのはねさんで塩焼きにする原木しいたけの串。肉厚の傘に十字の切り込み 写真:ひつじのはね 塩焼きにする原木しいたけ(焼く前)

修善寺駅近くの焼き鳥店「ひつじのはね」さんは、中伊豆BASEが販売をお手伝いしている原木しいたけを使ってくださっているお店です。戸田(へだ)の塩を使った焼き鳥がおいしいと評判で、いつもにぎわっています。原木しいたけは、肉厚な傘に十字の切り込みを入れて、塩でシンプルに焼いて出してくれています。

中伊豆BASEに相談する

中伊豆BASEは、研修先や周辺の原木しいたけ林家さんの販売をお手伝いしています。飲食店・八百屋さんのご相談や、旬のお知らせは公式LINEでお受けしています。


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